お役立ちコラム
生まれた時から歯が生えていたら
生まれた時から歯が生えていたら
初めて生える乳歯は、下の前歯であり、生後6〜7ヶ月頃に生えることが多いとされます。
生え方や生える順番には多少の個人差はありますが、生まれたての赤ちゃんに歯が生えていたら少し驚いてしまうのではないでしょうか。
生まれたばかりの赤ちゃんに歯が生えていることを「先天性歯(せんてんせいし)」といい、出生時や生後1ヶ月ほどで生えてくる場合にこのような呼び方をします。
先天性歯で多い部位
先天性歯として生えてくる歯の多くは、下あごの真ん中の歯である「乳中切歯(にゅうちゅうせっし)」です。
まれに、乳歯の犬歯である乳犬歯であることもあります。
先天性歯は、通常の乳歯よりも歯質が弱く、歯根の形成が不十分であることも多いことから、特に治療を行わずとも、自然脱落してしまうことも多くあります。
元々生えそろう予定の乳歯ではなく、余分な歯である「過剰歯(かじょうし)」であることもあります。
先天性歯による問題点
先天性歯が生えていることで、いくつかの問題が生じることがあります。
・授乳の際に母親の乳頭を傷つけて乳腺炎を起こす
・先天性歯の周囲に歯肉炎を生じる
・乳児の舌の裏が歯によって傷つき、潰瘍を形成する
・舌の潰瘍形成による痛みから哺乳障害を起こす
このように、先天性歯は、母体や赤ちゃんの口腔内に炎症や傷を作ることで、赤ちゃんにとって大切な授乳を妨げてしまい、赤ちゃんの成長発育に支障をきたす可能性があります。
先天性歯が原因で授乳が十分に行えていない場合や、口腔内に傷を作っているような場合には、先天性歯の先端を削って丸めたり、場合によっては抜歯をしたりすることがあります。先天性歯を削る場合には、削った後に歯が伸びてきて、痛みや炎症が再発することもあるため、その際には何度か削る治療を繰り返さなければならないこともあります。
先天性歯が生えていても、上記のような問題点が特にない場合では、治療はせずに経過観察を行うこともあります。
子どもの身体の成長と口腔機能の成長発達は、絶妙なバランスを保ちながら進んでいきます。子どものお口の中を見て、「もしかして、これは先天性歯かもしれない」と思われた場合には、早めに歯科医院を受診して相談してみましょう。
先天性歯と間違えやすい病態
先天性歯と間違えやすい病態として、上皮真珠(じょうひしんじゅ)というものがあります。
上皮真珠は、生まれて間もない赤ちゃんの歯茎にできている白い塊であり、大きさは直径が数ミリ程度で、複数個できていることもあります。歯茎の中で、透けて見えるような構造物です。
見た目が真珠に似ているところから、上皮真珠と呼ばれています。しかし中身は固いものではなく、白いクリーム状をしていて柔らかいです。
上皮真珠は、発生過程で歯を形成する組織が歯を形成した後も吸収されずに残り、変化したものであると考えられています。基本的には自然に消失するため、特に治療の必要はありません。乳歯の萌出にも影響を及ぼすことはありませんが、何か分からず心配な場合には、歯科医院で相談してみましょう。
まとめ
先天性歯は、生まれたばかりの赤ちゃんや、生まれてから1ヶ月程度の赤ちゃんの生えている歯のことをいいます。
余分な歯である過剰歯であり自然脱落することも多いですが、哺乳に影響が出ている場合などでは、部分的に削ったり抜歯をしたりすることがあります。
先天性歯が生えていた場合には、早めに歯科医院を受診して相談することが勧められます。
先天性歯と似たような病態として、上皮真珠があります。
上皮真珠は、存在していても問題となることはほとんどなく、自然に消失することが多いため、基本的に治療の必要性はありません。
気になる場合は歯科医院を受診して相談してみましょう。
はら歯科クリニック
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