「根管治療（こんかんちりょう）」という言葉を聞いたことはありますか？

根管治療とは、歯の神経の治療をすることをいいます。
歯の神経とは、専門用語で歯髄（しずい）と言います。
歯髄には歯に栄養を送るための血管や、歯が感覚を感じるための神経が入っているため、患者さんにわかりやすく説明するために、根管治療をするときは「歯の根っこの治療をします」と伝えたり、「歯の神経の治療をしますね」と伝えたりすることが多いです。

今回は、そんな歯の神経の治療である「根管治療」の種類について説明していきます。
口の中の治療は、どんなことをされているのか分からないことも多く、分からないことで「もう通院しなくてもいいかな」と自己判断で治療を中断してしまう患者さんもいらっしゃいます。特に根管治療は、時間や回数がかかる治療にはなりますが、歯を保つためにはとても大切な治療です。そのため、最後まで読んでいただくことで、どんな治療をされているのかや、その意味について知っていただき、毎回の通院を大切にしていただく手助けとなればと思います。

根管治療の種類

根管治療は、大きく二つに分けられます。

①抜髄（ばつずい）
②感染根管治療（かんせんこんかんちりょう）

同じ神経の治療とはいっても、それぞれに行うことや意味は少し異なります。
それぞれ説明していきます。

①抜髄（ばつずい）

抜髄とは、生きている歯の神経を抜くことをいいます。
「神経を抜く」というと、ひものようなものを抜くことをイメージされる方もいるかもしれませんが、歯の神経（専門用語で歯髄）は、細い血管や神経などが複雑に絡み合った構造のため、それら全てを地道に「取り除く」というのが実際行っている処置には近いです。

「なぜ生きている神経を抜くの？」と思われた方もいるかもしれませんが、抜髄を行うのは、神経の一部が細菌感染を起こして痛みが出ている場合や、外傷やその他の刺激により、歯の痛みが取れない場合に行います。

抜髄は歯の神経がわずかにでも生きている時に行うため、治療の際には痛みを伴います。そのため、治療の際には麻酔をして、痛みを取り除いた状態で行う必要があります。

基本的に抜髄を行う際の根管の中は、歯髄のみが細菌感染を起こしている、もしくは炎症症状が出ている状態なので、歯髄を除去してしまえば、最終的なお薬を入れて治療を終了することができます。そのため、抜髄をしたその日に最終的なお薬を入れることもあります。

後に説明する感染根管治療よりは、治療回数が少なく済むことが多いです。

②感染根管治療（かんせんこんかんちりょう）

「感染根管」とは、歯髄が細菌感染などにより腐ってしまい、歯髄だけでなく根管内全体が感染を起こしてしまった状態を指します。根管内が感染した状態を放っておくと、行き場をなくした細菌が歯の根っこの先にある骨を溶かし、細菌と体の中の白血球が戦った後に生じる死骸である膿が、歯の根っこの先端に溜まることがあります。

ここまで来ると、症状としては噛んだときの痛みが出たり、歯が浮いたような感じがしたり、場合によっては、骨を突き破って、茎から膿が出てきたり、人によっては皮膚から膿が出てくるようなこともあります。

この場合に行う治療を「感染根管治療」といい、感染した歯髄と、さらにその周囲にある根管の壁を除去して根管内を綺麗に清掃して、さらにはその奥にある膿を身体の外に出してあげるような処置を行います。

感染根管治療は、先ほど説明した抜髄とは異なり、感染した根管の壁や、その先にある膿を排出するような治療になるため、抜髄よりも治療回数が多くなることが多いです。中途半端に細菌を残したまま蓋をしてしまうと再発する可能性が高いためです。

また、感染して腐った歯髄は痛みを感じないため、基本的には器具を通した際の痛みはなく、麻酔なしで処置を行うことも抜髄との違いです。

以上が、抜髄と感染根管治療の説明です。
使用する器具などはほとんど同じですが、病状や治療する意味合いは少し異なります。違いを知って、治療のイメージを持ち、治療が終わるまではしっかりと通院していくようにしましょう。

はら歯科クリニック

当院では、小さなお子さまからご家族連れ、ご高齢の方までが安心して通院して頂けるように、キッズルームやお子さま専用の治療室、バリアフリーを整え、様々な年齢層の患者さんが通いやすい医院づくりを徹底しております。
「歯医者さんは怖い」というイメージを払拭できるよう、雰囲気やBGMにもこだわり、ゆったりと過ごしていただける医院づくりに努めています。
歯のメンテナンスや治療をお考えの方は、お気軽にご相談ください。

住所：〒834-0104　福岡県八女郡広川町大字吉常357-1
TEL：0943-24-8363