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お役立ちコラム

むし歯のでき方と種類

「歯の病気といえば、むし歯」と言えるくらいに、皆さんも日常的に使う「むし歯」という言葉ですが、一言でむし歯と言っても、実はその段階や治療は全く異なります。
今回は、そんな身近だけど実は複雑な「むし歯」について、「むし歯のでき方」と「むし歯の種類」という2つのテーマについてお話をしていきます。

むし歯のでき方

まず、「むし歯」は、お口の中にいるむし歯菌(主にミュータンス菌)が、食べ物や飲み物に含まれる「糖分」を餌にして作った「酸」で歯の表面を溶かすことによって生じます。
むし歯ができるためには「むし歯菌」と「糖分」と「歯が溶けること」の3つが主に関係しているのです。
そのため、極端な言い方をすると、「むし歯菌がゼロであれば、どんなに磨き残しがあってもむし歯にはならない」し、「糖分を一歳取らなければ、虫歯にはならない」し、「歯が頑丈で溶かされなければ、むし歯にはならない」のです。
でも、現実的には、むし歯菌がゼロの人や、糖分を一切取らない人、歯がむし歯菌の攻撃に耐えられるくらい強い人はほぼいないことでしょう。
そのため、むし歯にならないようにするためには、「むし歯菌を減らすこと」「糖分を控えたり、摂取したあとはしっかりと歯を磨くこと」「歯を強くするためにフッ素を利用すること」などが大切です。
ここまでのお話で、「むし歯のでき方」について、少しずつイメージが湧いてきたと思うので、次に「むし歯の種類」についてお話をしていきます。

むし歯の種類

むし歯には、段階(ステージ)に応じて大きく5つの種類があります。

  1. 初期むし歯(C0)
  2. 軽度のむし歯(C1)
  3. 少し進んだむし歯(C2)
  4. 神経まで進んだむし歯(C3)
  5. 歯の形が崩壊したむし歯(C4) 
初期むし歯(C0)

歯の表面から、歯を作る成分であるカルシウムやリンなどのミネラルが溶け始めた状態です。
この状態を「脱灰(だっかい)」といい、歯の表面はガサガサと、白〜黄色っぽい色をしていることが多いです。

フッ素塗布などを続けることで、むし歯は進行せずに済むこともありますが、お手入れを怠っていると次のステージに進んでしまいます。

軽度のむし歯(C1)

C0よりもむし歯が進行した状態で、「エナメル質」という、歯の表面を覆っている硬くて強い場所が侵されてしまった状態です。
基本的に痛みはないですが、茶褐色〜黒色の点として見られることも多く、患者さんがご自身で「むし歯かな?」と気づかれることもあります。

治療の対象ではありますが、範囲やお口の中の状況によっては様子を見ることもあります。

少し進んだむし歯(C2)

C1よりさらにむし歯が進み、「象牙質」というエナメル質の下にある部分まで溶かされてしまった状態です。
象牙質には、ストローのような細い管である「象牙細管(ぞうげさいかん)」という構造があり、これが歯の神経に繋がっているため、冷たい水を飲んだり、風をかけたりすると痛みが出ることがあります。

実は、表面的には歯がほとんど溶かされていないように見えても、内部でむし歯が広がっていることもあります。内部の状況を確認するためには、レントゲンが有効です。

神経まで進んだむし歯(C3)

象牙質からむし歯が進行すると、その下にある神経まで到達してしまいます。この状態になると「何もしなくても歯が痛い」という症状を訴えられる方がほとんどです。

C3の初期であれば、神経を温存することができる場合もありますが、少しでも神経の処置をしてしまうと、後々痛みが出てきて結局神経を抜かなければならなくなったり、気づかないうちに神経が死んでしまう場合も少なくないです。

神経を抜いた歯は、歯に栄養や水分の供給がなされなくなってしまうため、もろくて割れやすくなります。
また、神経を取る治療は治療の時間や回数も多くなることが多いです。こうならないうちに、早めにむし歯の治療を行うことが大切です。

歯の形が崩壊したむし歯(C4)

むし歯になった歯を治療せずに放っておくと、いつの間にか歯はどんどん溶かされ、やがて歯の形がボロボロに崩れてしまいます。

こうして歯の頭の形が崩れ、歯の根っこだけが残った状態を「残根(ざんこん)」といいます。

残根状態になった歯は、ほとんどの場合で抜歯しなければなりません。
せめて、C3の状態の時までに治療ができていれば、歯の神経の治療をして、その歯を残せる場合が多いです。
以上が、むし歯の種類についての説明です。

どの段階であれ、「早めに治療する」に越したことはないです。
ただし、C0やC1 のむし歯であれば、「治療することでわずかでも健康な歯を削ってしまうリスク」もあるのが現状です。
治療をするべきか、しない方が良いかは、その人それぞれのお口の状況や、歯科医院の通院状況によっても異なります。
「歯が黒くなっているところがある」「最近、しみるところがある」など、気になることがあれば、お気軽にお声掛けください。

はら歯科クリニック

当院では、小さなお子さまからご家族連れ、ご高齢の方までが安心して通院して頂けるように、キッズルームやお子さま専用の治療室、バリアフリーを整え、様々な年齢層の患者さんが通いやすい医院づくりを徹底しております。
「歯医者さんは怖い」というイメージを払拭できるよう、雰囲気やBGMにもこだわり、ゆったりと過ごしていただける医院づくりに努めています。
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