義歯（入れ歯）とは、失ってしまった歯を補うために使用する取り外し式の歯のことをいいます。
上あご、もしくは下あごのうち、いずれか全ての粘膜を覆うような義歯を「総義歯・全部床義歯・フルデンチャー」といい、一部残っている歯があり、部分的に補填するような義歯を「部分床義歯・パーシャルデンチャー」といいます。

そんな義歯には、いくつかの種類があります。

保険の義歯と自費の義歯

保険の義歯

・使用する素材が限られている
・厚みが厚くなることがある
・部分床義歯の場合、バネが金属になる
・噛む力が弱くなりやすい
・価格が比較的安価である

自費の義歯

・材料がいくつか選べる
・保険よりも見た目が優れている
・温度を伝えやすい金属で作ることができる（特に上の義歯）
・より強く噛みやすい
・作製に時間がかかることがある
・比較的高額である

このような違いがあります。
さらに細かく、義歯にはどんな種類があるのかを説明していきます。

義歯の種類

保険の義歯

レジン床義歯

歯科用の樹脂のことをレジンと呼びます。基本的に保険で作られる義歯はレジン床義歯であり、保険が適用されるため、数千円程度と、安価で義歯を作製することができます。
製作時間も短く、現在義歯を使用されている方の多くは保険の義歯を使用しています。
しかしながら、見た目の点や温度の伝わりやすさ、装着感などは、以下に説明する自費の義歯の方が優れていることが多いです。比較した上で、どの義歯を使用していくのが良いか、考えてみましょう。

自費の義歯

金属床義歯

義歯の粘膜に触れる部分の多くが金属でできた義歯です。
金属は薄く作れるので、プラスチック製のものと比べると、つけた時の違和感が少ないのが特徴です。
金属製なので温度が伝わりやすいことが利点であり、特に粘膜を覆う範囲の大きい上あごの義歯に使われることがあります。温度が伝わることで、保険の義歯よりも飲み物や食べ物の温度が伝わりやすく、美味しく食事ができるとされます。

ただし、金属アレルギーのある方では、アレルギー症状が出る可能性がある点と、価格が20万円程度と高額になる点には注意が必要です。

ノンクラスプ義歯

ノンクラスプ義歯は、名前の通りクラスプ（金属のバネ）がない義歯です。
金属のバネがなく、歯茎を覆って固定するため、一見すると義歯だと分かりにくい点が利点です。粘膜をより広く覆う形態をしているため、周りの歯への負担が少なく、入れ歯が外れたりずれたりすることも少ないです。安定感も良いとされます。

コンフォートデンチャー

コンフォートデンチャーは、入れ歯の内面がシリコンで覆われている義歯です。「コンフォート（＝快適）」という名前の通り、装着感が良いことが大きな利点です。粘膜への当たりが柔らかいので、歯ぐきの負担を和らげてくれる効果があります。材料の特性上、吸着力も非常に良いため、痛みや外れやすさなどが起きにくいとされます。ただし、表面がツルツルとした他の義歯に比べると、やや汚れがつきやすいことには注意が必要です。

まとめ

義歯には保険の義歯と自費の義歯があります。
自費の義歯では、粘膜に触れる部分の素材が金属のものやシリコンタイプのものなど、装着感を重視した義歯や、金属のバネがなく、見た目に配慮した義歯などを選択することができます。
紹介したものの他にも、さまざまな義歯が出てきています。
歯科医院によって、取り扱いのあるものとないものとがあるため、それぞれの利点や、今の自分のお口の状態にはどんな義歯が勧められるのかなどを確認し、どの義歯を作っていくかを考えていきましょう。

はら歯科クリニック

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